猫が吐く原因7パターン|受診の見極め方

健康・医療


はじめに

愛猫が急に吐いてしまうと、飼い主さんは心配になりますよね。「猫はよく吐く動物」と聞いたことがあっても、本当に様子を見ていいのか、それとも病院に連れて行くべきなのか、判断に迷うことも多いでしょう。実際、猫が吐く原因には心配のないものから緊急性の高いものまでさまざまなパターンがあります。この記事では、猫が吐く7つの主な原因と、動物病院を受診すべきタイミングの見極め方をわかりやすく解説します。

猫が吐きやすい理由と「嘔吐」「吐出」の違い

猫の体の構造が嘔吐しやすい理由

猫は他の動物と比べて吐きやすい体の構造をしています。胃から食道への逆流が起こりやすい体のつくりになっているため、ちょっとした刺激でも吐いてしまうことがあります。また、猫は毛づくろいをする習性があり、舌で体をなめる際に抜け毛を飲み込んでしまいます。この飲み込んだ毛が胃の中で毛玉となり、定期的に吐き出すことで体外に排出しているのです。短毛種に比べて長毛種の方が毛玉を吐く頻度が高く、換毛期にはさらに吐く回数が増える傾向があります。

「嘔吐」と「吐出」の見分け方

猫が吐く行為には「嘔吐」と「吐出」の2種類があり、それぞれ原因や対処法が異なります。

嘔吐は、食べたものや飲んだものが胃に入ってから排出される現象です。吐く前に腹筋や横隔膜が収縮し、ゲーゲーという音を立てながら吐き出します。よだれを伴うことも多く、胃液や消化途中の食べ物が出てきます。

一方、吐出は食べたものや飲んだものが胃に到達する前に排出される現象です。力を入れることなく、すっと口から出てきます。食道に問題がある場合や、早食いで食べ物が食道に詰まった場合などに起こり、ほとんど消化されていない未消化のフードがそのまま出てくるのが特徴です。

愛猫が吐いたときは、吐く前の様子や吐き方、吐いた後の状態をよく観察し、記録しておくと受診時に役立ちます。嘔吐と吐出では診るべきポイントが変わるため、正確な情報を獣医師に伝えることが重要です。

猫が吐く前には、落ち着きがなくなる、よだれが増える、何度も飲み込むような仕草をする、お腹を前後に動かすなどの前兆が見られることがあります。これらのサインに気づいたら、吐いた内容物を確認できるよう準備しておくとよいでしょう。吐いた直後は水やフードを与えるのは控え、胃腸を休ませることが大切です。胃や腸にトラブルが起きているときに食べ物を与えると、さらに状態が悪化する可能性があるためです。

猫が吐く7つの原因パターン

心配の少ない嘔吐(パターン1〜3)

1. 毛玉

猫が毛づくろいで飲み込んだ毛は、通常は便と一緒に排出されます。しかし一部は胃で毛玉となり、大きくなると吐き出します。健康な猫は月に1回から数ヶ月おきに毛玉を吐き、長毛種や換毛期には頻度が増えます。吐いた後も元気で食欲があれば心配ありませんが、1週間に何度も吐く場合は毛球症の可能性があるため受診しましょう

毛玉ケア対策としては、こまめなブラッシングに加えて、食物繊維が豊富な毛玉ケアフードの活用が効果的です。

  • ロイヤルカナン ヘアボールケア:
    可溶性食物繊維のサイリウムと不溶性食物繊維を配合し、毛玉を便と一緒に排出しやすくします。継続使用により糞便として排出される毛の量が約2倍になったという調査結果もあります。
  • ピュリナワン 毛玉ケア:
    自然由来の食物繊維をバランスよく配合し、オオバコ種皮で健康な便通をサポート。皮膚・被毛の健康維持にも配慮しています。
  • サイエンスダイエット 毛玉ケア:
    天然由来の食物繊維で体内の毛玉排出をサポートし、オメガ3・6脂肪酸で健康な被毛を維持します。

2. 早食い・食べ過ぎ

食事を急いで食べると、空気も一緒に飲み込んで食後すぐに未消化のフードを吐くことがあります。お気に入りのフードや空腹時に起こりやすく、吐いた後に元気で食欲があれば様子を見ても大丈夫です。

3. 空腹による胃液・胆汁の逆流

長時間空腹が続くと胃酸が過剰分泌され、胆汁が胃に逆流して嘔吐します。朝ごはん前に黄色い液体を吐く場合はこのケースが多く、食事の時間や回数を見直すことで改善されます

注意が必要な嘔吐(パターン4〜7)

4. ストレス

引っ越しや新しい家族の加入など環境変化でストレスを感じ、胃酸過剰分泌により嘔吐します。嘔吐のみで元気があれば過度な心配は不要ですが、症状が続く場合は受診しましょう
【ストレスケア(遊び編)】
【ストレスケア(環境編)】
【ストレスケア(多頭飼育編)】

5. 異物誤飲

おもちゃの破片、ひも、観葉植物などを誤飲すると、異物を出そうと嘔吐します。消化管を傷つけたり腸閉塞を起こしたりする危険があるため、誤飲が疑われる場合はすぐに受診してください
【誤飲・誤食対応はこちら】

6. 食物アレルギー

特定の食材(牛肉、鶏肉、魚、乳製品など)への過敏反応で嘔吐、下痢、皮膚症状が現れます。長く同じフードを食べていても突然発症することがあります。

7. 病気

消化器疾患、膵炎、肝炎、腎臓病、感染症など、さまざまな病気が嘔吐の原因となります。急性膵炎では激しい嘔吐が見られ早急な処置が必要です。腎臓病から尿毒症への進行時も緊急対応が求められます
【膵炎についてはこちら】
【腎臓病についてはこちら】

AIチャットボットにゃん太郎を是非ご利用ください!

嘔吐物の色・内容でわかる危険度

色別チェックポイント

愛猫が吐いたときは、嘔吐物の色を必ず確認しましょう。色によって緊急度や原因が異なります。受診時は嘔吐物を持参するか、写真を撮っておくとスムーズです。

透明〜白い泡: 水や胃液の逆流で、ストレスや空腹時の胃酸過多が原因です。嘔吐を繰り返さず元気なら様子見可能ですが、何度も繰り返すと脱水の恐れがあります。

黄色: 胃液に胆汁が混ざったもので、空腹時に多く見られます。食事の間隔調整で改善されますが、肝炎や腎臓病の初期症状の場合もあるため、続くなら受診が必要です。

茶色: 消化管からの出血や炎症の可能性があり、緊急度が高いです。脱水症状や下痢を伴うことがあるため、早めに受診しましょう。

ピンク・赤色: 血液混入で、異物誤飲による出血、急性胃炎、胃潰瘍、腫瘍などが考えられます。鼻からも出た場合は肺水腫の可能性があり非常に危険です。すみやかに受診してください。

フードと同じ色: 未消化フードで、早食いや食べ過ぎが原因です。食欲や元気に問題なければ様子を見てもよいでしょう。

内容物でわかること

毛玉: グルーミングで飲み込んだ毛の塊で、生理的現象です。ただし1週間に何度も吐く、食欲不振がある場合は毛球症の疑いがあり受診が必要です。

異物: おもちゃの破片、布、ヒモ類などが混ざっている場合は誤飲です。何も出ないのに吐く仕草を繰り返す場合も要注意で、すみやかに受診してください

寄生虫: 猫回虫(そうめん状の白い虫)を吐いた場合は治療が必要です。人間への感染リスクもあるため、早めに獣医師に診てもらいましょう。

嘔吐物を観察する際は、回数やタイミング、前後の様子も併せて記録しておくと診断に役立ちます。一度に2〜3回連続して吐くことはよくありますが、その後ケロッとしているなら過度な心配は不要です。しかし吐いた後の様子がいつもと違う場合は受診しましょう。1日4回以上の嘔吐や、3日以上続く場合は異物誤飲や消化器系疾患の可能性が高く、早めの受診が必要です。

動物病院を受診すべきタイミング

すぐに受診が必要なケース

以下の症状が見られる場合は、緊急度が高いため速やかに動物病院を受診してください。

  • 1日4回以上の嘔吐: 緊急度の高い腹腔内の病気などの可能性があります。立て続けに何度も吐くと脱水症状を起こすこともあります。
  • 吐こうとするが何も出ない: 毛球症または異物誤飲の可能性があり、腸閉塞を引き起こすリスクがあります。異物によって消化器官が傷つけられる恐れもあるため、早めの受診が必要です。
  • 血液混入(茶色・ピンク・赤): 消化管からの出血や重篤な疾患の可能性があります。
  • 併発症状がある: 下痢、発熱、けいれん、震え、便秘、排尿困難などが見られる場合は中毒症状や病気の疑いがあります。
  • 元気・食欲がない: 吐いた後にぐったりしている、食事を全く受けつけない場合は要注意です。
  • 子猫が吐いている: 家に来たばかりの子猫が吐いている場合は感染症のリスクも考えられるため、早急に受診してください。

様子見できるケースと観察ポイント

以下のような場合は、自宅で様子を見ても大丈夫なことが多いです。ただし継続的な観察が必須です。

様子見できるケース

  • 毛玉を吐いた後、元気で食欲がある
  • 早食いや食べ過ぎで吐いた直後だが、その後は普通に過ごしている
  • 空腹時に胃液や胆汁を吐いたが、食事は普通に食べられる
  • 嘔吐が1〜2回のみで、その後は何事もなかったように元気

記録すべき項目: 動物病院を受診する際、以下の情報をメモしておくと正確な診断に役立ちます。

  • 吐いた回数と時間帯
  • 嘔吐物の見た目(色、内容、匂い)
  • 猫が吐いた前後の様子
  • 嘔吐以外の症状の有無
  • 最後に食べた食事内容と時間

毎月のように嘔吐している場合は、体に問題が生じている可能性が高いため、健康診断を兼ねて検査を受けることをおすすめします。愛猫の日頃の様子をしっかり観察し、異変に早く気づくことが大切です。

嘔吐を予防するための日常ケア

猫の嘔吐を予防するには、以下のような日常ケアが効果的です。

食事管理: フードを変更する際は一気に変えず、これまでのフードに新しいフードを少しずつ混ぜて与えましょう。初めてのおやつも少量から始めてください。早食い防止には、1回の量を減らして回数を増やす方法が有効です。

ブラッシング: 特に換毛期には毎日のブラッシングで飲み込む毛の量を減らせます。毛玉ケアフードと併用するとさらに効果的です。
【ブラッシングのコツはこちら】

ストレス管理: 引っ越しや新しい家族の加入時は、慣れ親しんだお気に入りのものを使用し、安心できる環境を整えましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. 猫が毎日吐くのは正常ですか?

A. 毎日吐くのは正常ではありません。健康な猫が毛玉を吐く頻度は月に1回から数ヶ月おきです。毎日吐く場合は、毛球症、消化器疾患、食物アレルギー、ストレスなど何らかの問題がある可能性が高いため、動物病院を受診してください。吐いた後の様子、食欲、元気の有無も併せて観察しましょう。

Q2. 猫が透明な液体を吐きました。病院に行くべきですか?

A. 透明な液体は胃液や飲んだ水が逆流したもので、空腹時やストレスが原因のことが多いです。1回だけで、その後元気に過ごしているなら様子を見ても大丈夫です。ただし、何度も繰り返す、元気がない、食欲不振などの症状がある場合は受診が必要です。脱水症状を起こす可能性もあるため注意しましょう。

Q3. 猫が黄色い液体を吐くのはなぜですか?

A. 黄色い液体は胃液に胆汁が混ざったもので、長時間空腹が続くと胆汁が胃に逆流して吐きます。朝ごはん前など空腹時に多く見られます。食事の時間を調整したり、夜遅くに少量与えたりすることで改善されることがほとんどです。ただし、肝炎や腎臓病の初期症状として黄色い液体を吐くこともあるため、頻繁に続く場合は受診してください

Q4. 猫が食後すぐに吐くのですが、どうすればいいですか?

A. 食後すぐに未消化のフードを吐く場合、早食いや食べ過ぎが原因です。対策として、1回の食事量を減らして回数を増やす、早食い防止用の食器を使う、フードを少しずつ与えるなどの方法が効果的です。毎食後に吐く場合は、食道や胃に問題がある可能性もあるため、獣医師に相談しましょう。

Q5. 猫が血を吐きました。どうすればいいですか?

A. 血液が混ざった嘔吐物(ピンク色、赤色、茶色)を吐いた場合は緊急度が高く、すぐに動物病院を受診してください。異物誤飲による出血、急性胃炎、胃潰瘍、腫瘍などが考えられます。鼻からも同様の液体が出た場合は肺水腫の可能性があり、非常に危険です。嘔吐物を持参するか写真を撮って受診しましょう。

Q6. 毛玉ケアフードは毎日与えても大丈夫ですか?

A. 「総合栄養食」と表示されている毛玉ケアフードであれば、毎日の主食として与えても問題ありません。総合栄養食は猫が健康を維持するために必要な栄養素がバランスよく含まれています。それ以外の表示のものはおやつや主食のトッピングとして与えましょう。フードを変更する際は、急に変えず少しずつ混ぜて切り替えることが大切です。

Q7. 猫が吐いた後、すぐに食事を与えてもいいですか?

A. 吐いた直後は水やフードを与えるのを控えましょう。胃や腸にトラブルが起きているところへ与えると、再び胃腸運動を起こし状態が悪化する可能性があります。2〜3時間ほど様子を見て、元気で吐き気がなさそうであれば少量の水から与え始め、問題なければ少量のフードを与えます。回復しないようであれば早めに受診してください。

Q8. 長毛種の猫は短毛種より吐きやすいのですか?

A. はい、長毛種は短毛種に比べて毛玉を吐く頻度が高い傾向があります。グルーミングで飲み込む毛の量が多いためです。長毛種の飼い主さんは、毎日のブラッシングで抜け毛を取り除き、毛玉ケアフードを活用することで、吐く回数を減らすことができます。換毛期は特に注意が必要です。

まとめ

猫が吐く原因には、毛玉や早食いなど心配の少ないものから、異物誤飲や病気による緊急性の高いものまで7つのパターンがあります。嘔吐物の色や内容、頻度、併発症状をしっかり観察し、1日4回以上の嘔吐、血液混入、元気・食欲の低下が見られる場合はすぐに受診しましょう

愛猫の小さな変化を見逃さず、早期発見・早期対応を心がけることが、大切な家族の健康を守ることにつながります

参考文献・情報源

本記事は以下の信頼できる情報源を参考に作成しました。

  1. ユニ・チャーム ペットケア「愛猫が吐いた!吐いたモノ別飼い主がとるべき行動」 https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/cat-000029.html
  2. PS保険「猫が吐く原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説」 https://pshoken.co.jp/note_cat/cat_symptom/case008.html
  3. マルカン「猫が吐く原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説」 https://page.mkgr.jp/column/cat/201526/
  4. 価格.com「猫の嘔吐の原因とは?考えられる病気と対処法について獣医師が解説」 https://hoken.kakaku.com/pet/cat_injuries/vomit/
  5. SBIペット少額短期保険「猫が吐く原因は?頻度や色などチェックしておきたい項目や緊急度を紹介」 https://www.sbipet-ssi.co.jp/column/cat/C0121.html
  6. 日本臨床獣医学フォーラム「嘔吐 / 猫の病気」 https://www.jbvp.org/family/cat/digestive_organ/03.html
  7. 日本ペット「猫が吐く原因7パターン|受診の見極め方」 https://www.nihonpet.co.jp/cat/health/cat-vomiting.html
  8. にゃんペディア「猫の『嘔吐物』のチェック【獣医師解説】」 https://nyanpedia.com/checking-vomit/
  9. 乙訓どうぶつ病院「猫がよく吐くのはなぜ?|食後の嘔吐や毛玉以外に考えられる原因とは」 https://www.otokuni-ah.jp/2025/08/20/6792/
  10. 楽天保険の総合窓口「【獣医監修】<猫の嘔吐>猫が吐くときの原因は? 病気の心配はない?」https://www.rakuten-insurance.co.jp/pet/column/pet-cat_puke.html
    • 獣医師監修による嘔吐の原因と対処法
  11. マイベスト「毛玉ケアキャットフードのおすすめ人気ランキング」 https://my-best.com/1966
  12. OZmall「【人気の毛玉ケアキャットフードおすすめ11選】獣医師に聞いた、フードの選び方も紹介」 https://www.ozmall.co.jp/pet/food/33770/
  13. ねこのきもちWEB MAGAZINE「キャットフードで毛玉ケアはできる? 効果や選び方、その他対策を解説(獣医師監修)」 https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=33952
  14. アニホック動物病院グループ「毛玉が上手く吐けない猫のためのおすすめ毛玉ケアフード」 https://anihoc.com/column/cat-knowledge/2351/
  15. 日本ペットフード「キャットフードで毛玉ケアはできる?愛猫の毛玉お悩み解消法」 https://mag.npf.co.jp/cat/944/

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました