「ごはんちょうだい」と見つめる猫の瞳に、ついおやつを与えてしまう。そんな経験をお持ちの飼い主さんは多いのではないでしょうか。特に冬は寒さで猫も人も室内にこもりがちになり、気がつけば愛猫が「ちょっとぽっちゃり」になっていた、というケースが少なくありません。
「おやつを完全にやめなければダメ?」いいえ、そんなことはありません。おやつ大好きな猫でも、与え方の工夫と適切な運動・食事管理を組み合わせれば、無理なくダイエットを進められます。この記事では、冬場に実践できる具体的な体重管理の方法をご紹介します。
なぜ冬は猫が太りやすいのか

冬太りを引き起こす3つの要因
猫が冬に太りやすくなる背景には、複数の要因が絡み合っています。
主な原因
- 活動量の低下:寒さで暖かい場所から動かなくなり、運動量が大幅に減少
- 日照時間の減少:日光を浴びる時間が短くなり、体内リズムが変化して基礎代謝が低下
- 飼い主の在宅時間増加:一緒に過ごす時間が増え、「つい」おやつを与える機会が増加
肥満が引き起こす健康リスク
「ちょっとぽっちゃり」程度なら問題ないと思われがちですが、猫の肥満は深刻な健康問題につながります。適正体重の15%以上オーバーすると肥満とされ、たとえば5kgの猫が6kgになると20%増で既に肥満領域です。
肥満による主なリスク
- 糖尿病:猫は犬より糖尿病を発症しやすく、一度発症するとインスリン注射が必要に
- 関節疾患:体重増加で関節炎や椎間板ヘルニアのリスクが上昇
- 肝リピドーシス(脂肪肝):肥満猫が絶食状態になると急激に発症し、命に関わることも
→【糖尿病についてはこちらから】
定期的に愛猫の体を触り、肋骨や腰骨が確認できるかチェックしてみてください。脂肪に覆われて骨が触れない、上から見て首や腰のくびれがない場合は、ダイエットを検討すべきサインです。
おやつは「やめる」より「選ぶ」が正解

「おやつをやめられない…」と罪悪感を感じている飼い主さん、安心してください。ダイエット中でもおやつは完全にやめる必要はありません。大切なのは「何を」「どれだけ」与えるかを見直すことです。
なぜおやつがやめられないのか
猫がおやつをねだるのには理由があります。猫は「ねだれば美味しいものがもらえる」という成功体験を学習しており、鳴いたり足元にすり寄ったりする行動が強化されています。一方で飼い主側も、おやつを通じて猫との絆を感じたり、喜ぶ顔を見たいという気持ちがあるため、双方にとっておやつは大切なコミュニケーションツールになっているのです。
だからこそ、「やめる」のではなく「賢く選ぶ」アプローチが成功の鍵となります。
ダイエット中のおやつカロリー管理
おやつの適正量は、1日の摂取カロリーの10〜20%が目安です。ただしダイエット中は10%以下に抑えましょう。
体重別・1日のおやつカロリー目安(ダイエット中)
- 3kgの猫:約16kcal以下
- 4kgの猫:約20kcal以下
- 5kgの猫:約23kcal以下
- 6kgの猫:約26kcal以下
この数字を頭に入れておくと、おやつ選びがグッと楽になります。
ダイエット向けおやつおすすめ3選
ダイエット中の猫には、最初から「低カロリー」「ウェイトコントロール」と明記されたおやつを選ぶのがベストです。普通のおやつを減らすより、ダイエット用おやつに切り替える方がストレスなく続けられます。
いなば 焼かつお:
1本約20kcalと低カロリーながら、宗田鰹の濃厚な旨味で食いつき抜群。着色料・保存料不使用で、スーパーやドラッグストアで手軽に購入できます。しっとりジューシーな食感で、ほぐしてトッピングとしても活用可能です。
ママクック フリーズドライのササミ(猫用):
国産鶏ササミを無添加でフリーズドライ加工。粗タンパク質83%以上・粗脂肪4.5%と驚異の高タンパク低脂肪。少量で満足感が得られるため実質的にカロリーを抑えられます。
銀のスプーン おいしい顔が見られるおやつ カリカリッチ 低カロリー設計:
スーパーやドラッグストアで手軽に買える低カロリーおやつ。通常のカリカリッチと比べて脂質約75%カット、100gあたり約40kcal減を実現。まぐろ・かつお・白身魚・しらすのシーフード味で食いつきも良く、レビュー評価も高い人気商品です。
おやつを与えるベストタイミング
おやつの効果を最大化し、カロリーオーバーを防ぐコツは「タイミング」にあります。
おすすめのタイミング
- 遊んだ後のご褒美として(運動→おやつの流れを習慣化)
- 爪切りやブラッシングなどケア後のご褒美として
- 投薬時の補助として
避けたいタイミング
- 鳴いておねだりされた時(要求行動が強化される)
- 飼い主の食事中(人間の食べ物への興味が増す)
- 就寝前(消費されずに脂肪になりやすい)
「おやつは猫が頑張った後のご褒美」というルールを決めると、与える回数も自然と適正になります。

冬でもできる室内運動のコツ

寒い冬は猫も飼い主も動くのが億劫になりがちですが、ダイエット成功には適度な運動が欠かせません。食事制限だけに頼ると筋肉量が落ちて基礎代謝が下がり、かえって痩せにくい体になってしまいます。
ポイントは「短時間でも毎日続けること」。1回5〜10分の遊びを1日2回以上、合計15〜25分を目標にしましょう。
効果的なおもちゃ選び
猫の狩猟本能を刺激するおもちゃを選ぶと、自然と運動量がアップします。特に冬は窓際の日向ぼっこスペース近くで遊ぶと、猫も動きやすくなります。
おすすめ運動グッズ
ペティオ アドメイト カシャカシャびょんびょん:
金色フィルムの光と音が猫の狩猟本能を刺激。耐久性が高く、LDK誌でベストバイを獲得した実力派です。
ドギーマン じゃれ猫シリーズ:
リアルなススキや羽根の動きで自然な狩猟欲求を満たします。毛が飛び散りにくい設計で室内でも安心。
ドギーマン ニャンコのでるでる自飯器:
ドラムを回すとフードやおやつが出てくる知育玩具。遊びながら食べることで早食い防止にもなり、適度な運動にもつながります。
キャットタワーの選び方
- 成猫:高さ130cm以上で上下運動を促進
- シニア猫:高さ100cm以下、ステップ間隔が狭いもの
- おすすめメーカー:アイリスオーヤマ、ペティオ、ドギーマン
年齢・状況別の運動のポイント
すべての猫に同じ運動が適しているわけではありません。愛猫の状態に合わせた工夫が必要です。
シニア猫(7歳以上)の場合: 激しい運動は関節に負担をかけるため、ゆっくりしたおもちゃの動きで誘導しましょう。床を這うような動きや、低い位置での左右の動きが効果的です。高いジャンプは避け、階段状のステップを使った軽い上下運動がおすすめです。
多頭飼いの場合
- 食事は猫ごとに別の部屋で与える
- 遊びの時間も1匹ずつ確保する
- 自動給餌器で食事量を個別管理
猫同士で運動量に差が出やすいため、太りやすい子には個別で遊ぶ時間を設けることが大切です。
遊びを習慣化するコツ
運動を続けるには、飼い主側の習慣化も重要です。毎日決まった時間に遊ぶことで、猫も「この時間は遊びの時間」と学習します。
習慣化のポイント
- 朝の出勤前に5分、帰宅後に10分など時間を決める
- おもちゃは3〜4種類をローテーションして飽きさせない
- 遊んだ後におやつを与えて「運動→ご褒美」の流れを作る
食事とサプリで内側からサポート

ダイエットフードの選び方と切り替え方
本格的なダイエットには、専用のダイエットフードへの切り替えが効果的です。ただし、急な切り替えは消化器系のトラブルを引き起こす可能性があるため、1〜2週間かけて徐々に新しいフードの割合を増やしていきましょう。
ダイエットフードには、獣医師の指導のもと使用する「療法食」と、処方箋不要で購入できる「市販ダイエットフード」があります。療法食は動物病院や認定オンラインストアで、市販品はAmazon・楽天・ペットショップで購入可能です。
おすすめダイエットフード
ロイヤルカナン 満腹感サポート(療法食):
低脂肪9%・高食物繊維23.6%の配合で、通常フードと比べて脂肪約40%減、食物繊維約131%増を実現。高タンパク質(44.3g/400kcal)で減量中の筋肉維持もサポート。
ロイヤルカナン ライトウェイトケア(市販):
サイリウム配合で満腹感が持続し、高タンパク38%以上で筋肉量を維持しながら体重管理ができます。
ヒルズ サイエンス・ダイエット 減量サポート(市販):
独自の食物繊維ブレンドで毛玉ケアも同時に行え、1歳以上の成猫・シニア猫に対応。50年以上の実績があり、世界90カ国以上で販売されている信頼のブランド。
サプリメントで代謝・健康をサポート
ダイエット中は栄養バランスの偏りや代謝の低下が気になるところ。そんなときは、肝臓や腎臓の健康をサポートするサプリメントの活用も検討してください。
フェリスケア: 猫プラセンタを主成分としたサプリメントで、肝臓・腎臓機能のサポートに役立ちます。代謝機能を内側から支えることで、ダイエット中の健康維持をサポート。
Q&A:よくある質問
Q. ダイエットにはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 猫のダイエットは長期戦が基本です。急激な減量は肝リピドーシス(脂肪肝)のリスクがあるため、1週間で体重の1〜2%程度の減量を目安に、数ヶ月から半年以上かけてゆっくり進めます。具体的な目標や期間は、必ず獣医師に相談して決めてください。
Q. おやつは完全にやめるべきですか?
A. 完全にやめる必要はありません。大切なのは総カロリー管理です。1日の必要エネルギーの10%以内に抑え、ダイエット専用おやつ(ヴォイス ウェイトコントロール、ママクック フリーズドライのササミなど)を活用しましょう。
Q. 多頭飼いで1匹だけダイエットさせるにはどうすればいいですか?
A. 食事を別々の部屋で与える方法が基本です。また、ダイエットが必要な猫専用の遊び時間を設け、個別に運動量を増やす工夫も有効です。
Q. シニア猫でもダイエットできますか?
A. 可能ですが、より慎重に進める必要があります。シニア猫は筋肉量の維持が特に重要なため、高タンパクのダイエットフードを選び、無理のない運動を取り入れましょう。持病がある場合は必ず獣医師に相談し、定期的な健康チェックを受けながら進めてください。
Q. 避妊・去勢手術後に太りやすくなるのはなぜですか?
A. 避妊・去勢手術後はホルモンバランスの変化により、エネルギー必要量が約3分の1低下する一方、食欲は18〜26%程度増加するといわれています。手術後は食事量の見直しが必要で、体重増加が気になる場合は早めに対策を始めましょう。
まとめ

猫のダイエットは「我慢させる」ことではなく、「上手に管理する」ことがポイントです。
この記事のポイント
- おやつは「やめる」より「ダイエット用に切り替える」が正解
- 1日のおやつカロリーは必要エネルギーの10%以下に
- 運動は1回5分×2回以上、合計15〜25分を目標に
- ダイエットフードは1〜2週間かけて徐々に切り替え
- 急激な減量は肝リピドーシスのリスクがあるため、必ず獣医師に相談
愛猫の健康は、毎日の小さな積み重ねから。この冬、「罪悪感なく続けられるダイエット」を始めてみませんか。
参考文献・参照記事
- ロイヤルカナン公式サイト「満腹感サポート(猫用)」 https://www.royalcanin.com/jp/cats/products/vet-products/satiety-support-3943
- ロイヤルカナン公式サイト「ライトウェイトケア」 https://www.royalcanin.com/jp/cats/products/retail-products/light-weight-care
- ヒルズペット公式サイト「サイエンス・ダイエット 減量サポート」 https://www.hills.co.jp/science-diet/cat-food
- ヴォイス公式サイト「猫にやさしいトリーツシリーズ」 https://www.voice-pet.com/yasashi_neko_pro.html
- ママクック公式サイト「フリーズドライのササミ」 https://www.mamacook.co.jp/
- ペティオ公式サイト「アドメイト カシャカシャじゃらし」 https://www.petio.com/
- ドギーマン公式サイト「キャティーマン じゃれ猫シリーズ」 https://www.doggyman.com/
- 西宮動物病院「療法食について」 https://nishinomiya.vet/2024/11/08/ryoho/
- nademo「低脂肪キャットフードの選び方」 https://nademo.jp/cat_foodlowfat/
- アニコム損保「猫の肥満と健康リスク」 https://www.anicom-sompo.co.jp/
- LDK the Beauty「猫じゃらしベストバイ特集」
- フェリスケア公式サイト https://feliscare.jp/



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