はじめに
愛猫が糖尿病と診断されたとき、多くの飼い主さんは「この先どうなるのだろう」という不安に包まれることでしょう。しかし、適切な管理を行えば、糖尿病の猫ちゃんも幸せで充実した生活を送ることができます。
本記事では、糖尿病の基本知識から自宅でできる実践的な食事管理、インスリン投与のコツまで、獣医師監修のもとで詳しく解説します。正しい知識と管理方法を身につけることで、愛猫との穏やかな日々を取り戻しましょう。
猫の糖尿病の基本知識〜原因・症状・診断〜

糖尿病の原因と発症メカニズム
猫の糖尿病は、血糖値を調節するインスリンというホルモンが不足したり、うまく作用しなくなったりすることで発症する病気です。
猫の糖尿病の特徴 猫の糖尿病の80%は人間の2型糖尿病に似ており、膵臓からインスリンは分泌されていますが、インスリンに対する体の反応が悪くなることで引き起こされます。これは犬の糖尿病とは大きく異なる特徴です。
主な原因
- 肥満:理想体重の猫に比べて、肥満の猫は4倍も糖尿病になりやすい
- 性別と去勢:去勢したオス猫は太りやすく、糖尿病のリスクが高い
- 不適切な食事:高炭水化物の食事を続けると発症リスクが上昇
- 基礎疾患:膵炎、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群など
- その他要因:ストレス、遺伝的要因、薬剤の副作用
発症しやすい猫の特徴 糖尿病は中高齢の猫に多く見られ、発症のピークは10〜13歳です。オス猫により多い傾向があり、特に肥満傾向にある猫は注意が必要です。
初期症状から末期症状まで見逃してはいけないサイン
糖尿病の症状は段階的に進行するため、早期発見が重要です。初期症状はほとんどなく、進行スピードも遅いため、飼い主さんが気付きにくいのが現状です。
進行期の典型的な4大症状
- 多飲多尿:血液中のブドウ糖を薄めるために水をたくさん飲み、尿量も増加
- 多食なのに体重減少:よく食べているのに痩せていく
- 活動量の低下:元気がなく、動きたがらない
- 毛づやの悪化:グルーミングの減少により毛がパサつく
猫特有の重要なサイン
- ジャンプをしなくなった
- 高い所へ登らなくなった
- 踵をついて歩くような特徴的な歩き方(後肢の神経症状)
これらの症状は、長期の高血糖による神経障害が原因で現れる猫特有の症状です。
末期症状(緊急性が高い状態)
- ふらつき、嘔吐、下痢
- 食欲不振、急激な体重減少
- 腎機能障害、白内障、肝疾患などの合併症
- 呼吸が荒くなる、ぐったりする
最も危険な糖尿病性ケトアシドーシス 脂肪分解によるケトン体の過剰産生により体が酸性に傾き、以下の症状が現れます。
- 重度な昏睡状態
- 急激な体調悪化
この状態では緊急治療が必要で、治療が遅れると命に関わるため、上記の症状に気づいたらすぐに動物病院を受診することが重要です。
自宅でできる食事管理の実践法

糖尿病猫に適した療法食の選び方
糖尿病の猫には、食後の血糖値上昇をゆるやかにするため、低炭水化物・高タンパクの療法食が推奨されます。
療法食選択の基本原則
最も望ましいのは、獣医師が猫の現在の糖尿病の状態や他の合併症の有無を考慮して処方する療法食です。療法食は一般のフードとは異なり、疾患に特化した栄養設計がされているため、必ず獣医師の指導のもとで選択しましょう。
代表的な糖尿病用療法食
- ロイヤルカナン 糖コントロール:糖吸収速度が穏やかな炭水化物(大麦)を原料として使用することで、安定した血糖を維持し糖尿病に配慮した療法食です。糖尿病の猫にとって重要な筋肉量維持に配慮し、タンパク質の含有量を高く調整(44%以上)している点が大きな特徴で、ドライとウェットの展開となっており、獣医師の処方のもとで糖尿病の猫全般に適用できます。
※この製品は獣医師の指導のもとで給与すべき療法食です。ご購入にはかかりつけ動物病院での登録が必要となります。販売サイトでご注文の際は、かかりつけ動物病院登録サイトにログインし、対象となるペットと動物病院情報をご選択ください。なお、商品販売に必要な範囲で、かかりつけ動物病院登録サイトの運営元と販売サイト間でお客様情報(認証情報・購買情報など)が共有されます。 - ヒルズ w/d:多くの治療実績を持つ療法食で、低炭水化物、高タンパク質、食物繊維に加え、高レベルのアルギニンとタウリンを配合しています。糖尿病と体重管理に役立つことが科学的に証明された栄養設計となっており、特に糖尿病で肥満傾向のある猫に適しています。比較的食いつきが良いと評価されている点も飼い主さんには嬉しいポイントです。
- アニモンダ INTEGRA PROTECT糖尿ケア:ドイツ産の療法食で、穀物や野菜を加えずにお肉の原材料のみで作られているのが最大の特徴です。タンパク質が特に豊富で糖質はゼロという徹底した低炭水化物設計となっており、完全グレインフリーのため穀物アレルギーがある糖尿病猫にも安心して与えることができます。主にウェットフード(缶詰・パウチ)中心の展開となっており、糖尿病ケアに加えて、ストルバイトとシュウ酸カルシウム結石の形成も防ぐ追加効果があります。
- ヒルズ m/d(エムディー):糖尿病と体重管理の両方に配慮された療法食です。高タンパク質・低炭水化物の組成により食後の血糖上昇を抑制し、肥満を伴う糖尿病猫に特に適しています。獣医師の指導のもとで適切な給与期間を決定して使用します。
併発疾患がある場合の療法食選択 糖尿病と他の疾患を併発している場合は、より重篤な疾患に対応したフードを優先します。
- 腎臓病併発:低タンパクの腎臓病食を優先
- アレルギー:アレルギー除去食を選択
- 膵炎併発:消化器系フードを優先
療法食を食べない場合の対処法 猫が療法食を嫌がって食べない場合の工夫
- 温める:少し温めて香りを立たせる
- 混合給餌:従来のフードと少しずつ混ぜて慣らす
- 待機期間の限界:36-48時間が限界
- 獣医師への相談:食べない場合は無理せず相談する
健康維持のためには何かを食べることが最優先のため、療法食にこだわりすぎて食べなくなることは避けましょう。
食事タイミングとインスリン投与の連携方法
糖尿病の猫の食事管理では、血糖値の変動を最小限にすることが重要です。
猫の自然な食事パターンを活かした管理 研究結果から、糖尿病の猫は少量のフードを何回にも分けて食べることで、血糖値の変動が小さくなることがわかっています。
理想的な食事パターン
- 回数:1日3-4回に分けて給餌
- 量:少量ずつ複数回(猫本来の食習慣)
- 利点:食後の血糖上昇を最小限に抑制
- インスリンとの関係:少量頻回の食事パターンの猫は、インスリン注射を食事に厳密に合わせる必要がない
体重管理が必要な場合の注意点 肥満の猫には体重コントロールが重要ですが、以下の点に注意が必要です。
安全な減量方法
- 使用フード:体重管理用の療法食を利用(食物繊維が豊富で満腹感が得られやすい)
- 減量期間:2-4カ月かけて徐々に目標体重へ
- 危険性:急激な減量は脂肪肝を引き起こす可能性
- 獣医師の指導:必ず専門家の指導のもとで実施
食事療法による寛解の可能性 食事と薬物療法の適切な組み合わせにより血糖値のコントロールができると、インスリンなしで生活できる場合もあります。
寛解を目指すための食事管理
- 間食の制限:おやつやちゅーるなどは避ける
- 規則正しい食生活:決まった時間に決まった量を給餌
- 継続的な管理:症状が改善しても食事管理は継続する
食事療法は糖尿病管理の基盤となる重要な治療法です。獣医師と相談しながら、愛猫に最適な食事プランを見つけましょう。

インスリン投与の正しい方法とコツ

インスリン注射の手順と安全な投与方法
糖尿病の治療に必要なインスリンの注射は、基本的に自宅で飼い主さんが行います。正しい手順と注意点を守ることで、安全で効果的な治療が可能です。
インスリン注射の基本情報
- 投与回数:基本的に1日2回
- 投与方法:皮下注射
- 投与場所:首の後ろ、背中、腰周辺の皮下
- 習熟期間:慣れれば決して難しくない手技
インスリンの正しい取り扱い方法
保管に関する重要なポイント
- 温度管理:冷蔵保存または室温保存(製品により異なる)
- 遮光:直射日光を避け、暗所で保管
- 使用期限:開封後の使用期間を厳守
- 混和方法:激しく振らず、優しく転倒混和する
転倒混和とは、手でボトルを持ったまま、手首を使ってゆっくりと上下を逆さにすることを何回か繰り返し、均一に混ぜることです。激しく振ると、インスリンの結晶が壊れて効果が低下する可能性があります。
注射の実際の手順
準備段階
- 必要な物品を準備:インスリン、専用注射器、アルコール綿(必要に応じて)
- 注射器の確認:指定されたインスリン用注射器を使用
- 正確な吸引:気泡が入らないよう注意して正確な量を吸引
日本のシリンジの特徴と注意点
- 目盛り:1単位刻み
- 微調整の方法:1.5単位なら1目盛りと2目盛りの中間に調整
- 精度の重要性:わずかな量の違いで効果が大きく変わる
注射実施時のポイント
- 部位の選択:皮下注射で行う(筋肉注射ではない)
- 部位のローテーション:毎回同じ場所を避け、注射部位を少しずつ変える
- 猫への配慮:できるだけ負担をかけないよう、猫のペースに合わせる
- 安全な投与:皮膚をつまんで皮下に確実に注射
猫のストレス軽減のための工夫 注射に対する猫のストレスを軽減するために
- 段階的な慣らし:最初は注射器を見せるだけから始める
- ご褒美の活用:注射後にお気に入りのご褒美を与える
- 一定の時間とルーティン:毎日同じ時間、同じ手順で行う
- 飼い主の心構え:飼い主が緊張すると猫にも伝わるため、落ち着いて行う
血糖値モニタリングと投与量調整のポイント
インスリン治療における血糖値のモニタリングは、治療効果を確認し、適切な投与量を決定するために不可欠です。
自宅でできるモニタリング方法
日常的な観察項目
- 水分摂取量:24時間でどのくらい水を飲んでいるか
- 尿量と回数:トイレの使用頻度と尿の量
- 食欲と体重:食事量の変化と体重の推移
- 活動量:元気さや遊びへの関心
- 行動の変化:普段と異なる行動パターン
尿糖検査の活用法 尿糖検査は自宅で簡単にできる有用な検査ですが、限界もあります
尿糖検査でわかること
- 血糖値が非常に高い状態かどうか
- 治療効果の大まかな評価
- 日々の変化の傾向
尿糖検査の限界
- 低血糖状態は判断できない
- 具体的な血糖値はわからない
- ストレスによる一時的な上昇と区別が困難
血糖値の目標値と管理指針
一般的な血糖値管理目標
- 通常の管理目標:100〜300 mg/dL
- 理想的な範囲:尿糖がほぼ出現しない範囲での安定
- 厳格な管理目標:60〜180 mg/dL(寛解を目指す場合)
厳格な管理を行う場合の注意点 低血糖リスクが高まるため、以下の条件が必要です
- 飼い主の厳重な体調管理能力
- 緊急時の迅速な対応力
- 獣医師との密な連携体制
低血糖時の緊急対応
低血糖の症状(重要な警告サイン)
- 軽度:元気がない、ふらつき
- 中等度:震え、よだれ、異常な行動
- 重度:痙攣、意識消失、昏睡
応急処置の具体的な方法
- 即座の糖分補給:ハチミツや糖シロップを歯茎に塗布
- 安全確保:猫を安全な場所に移動
- 獣医師への連絡:応急処置と同時に動物病院に連絡
- 継続観察:症状が改善しても必ず獣医師の診察を受ける
低血糖予防のための準備
- 常備用品:ハチミツ、糖シロップ、ブドウ糖を常備
- 緊急連絡先:かかりつけ医と夜間救急病院の電話番号を把握
- 記録の習慣:食事量、インスリン投与時間、猫の様子を記録
- 事前学習:獣医師から低血糖時の対応を詳しく学習
インスリン治療は「慣れ」が重要です。最初は不安に感じるかもしれませんが、正しい知識と技術を身につけることで、愛猫の健康を守る大切な治療を安全に行うことができます。
長期管理と生活の質向上のために

定期的な検査とかかりつけ医との連携
糖尿病は完治が困難な疾患のため、長期的な管理が必要です。適切な管理により、糖尿病の猫も健康な猫とほぼ同じ寿命を全うできることが多くの研究で報告されています。
定期検査のスケジュール
- 治療開始初期:週1〜2回の通院で血糖値モニタリング
- 安定期:月1回程度の定期検査
- 長期安定期:2〜3ヶ月に1回の検査
検査項目と重要性
- 血糖値測定:インスリン効果の確認と投与量調整
- 糖化アルブミン検査:過去2〜3週間の血糖コントロール状況を評価
- 尿検査:尿糖、ケトン体の有無をチェック
- 体重・体型評価:肥満管理と筋肉量維持の確認
- 血液検査:腎機能や肝機能など全身状態の評価
治療費の目安 糖尿病の猫の治療費は症状や治療内容によって異なりますが、以下が一般的な目安です。
年間治療費の平均:約30〜35万円
月間費用の内訳:
- インスリン関連費用:約8,000〜12,000円(薬剤費用+注射器代)
- 定期検査費用:1回あたり5,000〜15,000円
- 療法食費用:月3,000〜6,000円程度
治療段階別の費用:
- 初期診断・検査:15,000〜25,000円
- 治療開始時(頻回通院期):月20,000〜30,000円
- 安定期(定期管理):月10,000〜15,000円
早期発見・適切な管理により重篤な合併症を予防できれば、長期的な医療費を抑制することも可能です。
糖尿病猫との快適な生活を送るための環境づくり
糖尿病の猫が快適に過ごすためには、ストレスの少ない安定した環境が重要です。
日常生活での注意点
- 規則正しい生活リズム:食事とインスリン投与を決まった時間に行う
- ストレス軽減:環境変化を最小限に抑え、猫が安心できる空間を確保
- 適度な運動:肥満予防とインスリン感受性向上のため、無理のない範囲で運動を促す
- 清潔な環境維持:感染症予防のため、トイレや食器を清潔に保つ
→【ストレスケア(環境編)】
→【ストレスケア(遊び編)】
→【ストレスケア(多頭飼育編)】
緊急時への備え 低血糖は突然発生する可能性があるため、以下の準備をしておきましょう。
- 応急処置用品:ハチミツ、糖シロップなどを常備
- 緊急連絡先:かかりつけ医と夜間救急病院の連絡先を把握
- 記録の習慣:食事量、インスリン投与時間、猫の様子を記録
猫の糖尿病は「治る」可能性もある 猫の糖尿病の大きな特徴として、適切な治療により膵臓機能が回復し、インスリン投与が不要になる場合があります。この状態を「糖尿病の寛解」と呼び、治療開始から数週間〜数ヶ月で起こることがあります。
寛解の可能性を高める要因
- 早期発見・早期治療
- 適切な体重管理(肥満の改善)
- ストレスの軽減
- 食事療法の徹底
- 定期的な血糖値モニタリング
ただし、寛解した場合でも再発の可能性があるため、継続的な観察と定期検査は必要です。獣医師との相談なしに治療を中断することは避けましょう。
→【ダイエットに効果的な食事についてはこちら】
生活の質(QOL)向上のポイント 糖尿病であっても、適切な管理により猫らしい充実した生活を送ることができます。
- 好みの療法食を見つけて食事の楽しみを維持
- 猫が好む遊びや運動を継続
- 家族との時間を大切にし、愛情あふれる環境を提供
- 定期的な健康チェックで安心感を得る
糖尿病は「一生付き合っていく病気」ですが、決して絶望的な疾患ではありません。飼い主さんの愛情と適切な管理により、糖尿病の猫も幸せで健康的な生活を送ることができるのです。
よくある質問(Q&A)
Q1: 猫の糖尿病は治るのでしょうか?
A: 猫の糖尿病は犬とは異なり、適切な治療により「寛解」する可能性があります。これは膵臓機能が回復し、インスリン投与が不要になる状態のことです。治療開始から数週間〜数ヶ月で起こることがあり、一般的に約3割の猫で寛解が見られるとされています。ただし、寛解後も再発の可能性があるため、継続的な観察と定期検査は必要です。完全に「治癒」するというよりも、「上手に管理していく病気」として捉えることが大切です。
Q2: インスリン注射は一生続ける必要がありますか?
A: 多くの場合、糖尿病の猫にはインスリン注射が必要ですが、猫によっては治療により自らインスリンを作れるまでに回復し、インスリン投与が不要になるケースもあります。特に早期発見・早期治療、適切な体重管理、ストレス軽減、食事療法の徹底により、寛解の可能性が高まります。ただし、これは獣医師による厳密な管理のもとで判断されるため、自己判断でインスリンを中断することは避けてください。
Q3: 糖尿病の治療費はどのくらいかかりますか?
A: 糖尿病の猫の治療費は症状や治療内容によって異なりますが、以下が一般的な目安です:
年間治療費の平均:約30〜35万円
月間費用の内訳:
- インスリン関連費用:約8,000〜12,000円(薬剤費用+注射器代)
- 定期検査費用:1回あたり5,000〜15,000円
- 療法食費用:月3,000〜6,000円程度
治療段階別の費用:
- 初期診断・検査:15,000〜25,000円
- 治療開始時(頻回通院期):月20,000〜30,000円
- 安定期(定期管理):月10,000〜15,000円
早期発見・適切な管理により合併症を予防できれば、長期的な医療費抑制にもつながります。
Q4: 療法食以外のフードやおやつは与えてもいいですか?
A: 糖尿病の管理中は、血糖値の安定化のため療法食のみを与えることが基本です。他のフードやおやつを混ぜると療法食の効果が減少し、血糖値のコントロールが困難になります。特に「ちゅーる」などの嗜好性の高いおやつは糖分が多く含まれているため、血糖値管理中は避けるべきです。どうしても与えたい場合は、獣医師に相談し、血糖値への影響を考慮した上で判断してもらいましょう。
Q5: 低血糖になった時の対処法を教えてください
A: 低血糖の症状(ふらつき、痙攣、意識消失など)が見られた場合の応急処置:
- 即座の対応:ハチミツや糖シロップを歯茎に塗布する
- 安全確保:猫を安全な場所に移動させ、落ち着かせる
- 獣医師への連絡:応急処置後、すぐにかかりつけ医に連絡
- 受診:症状が改善しても必ず獣医師の診察を受ける
低血糖は突然発生し、適切な処置が遅れると生命に関わるため、インスリン治療開始前に獣医師から詳しい対応方法を確認しておくことが重要です。
Q6: 糖尿病の猫にはどんな症状が現れますか?
A: 糖尿病の主な症状は以下の通りです:
- 多飲多尿:水をたくさん飲み、尿量・回数が増える
- 多食なのに体重減少:よく食べているのに痩せていく
- 活動量の低下:元気がなく、動きたがらない
- 後肢の歩行異常:踵をついて歩く(猫特有の神経症状)
- 毛並みの悪化:グルーミングの減少により毛がパサつく
末期症状として、嘔吐、下痢、食欲不振が現れることもあります。これらの症状が見られたら、早急に獣医師の診察を受けてください。
Q7: 糖尿病の猫の寿命はどのくらいですか?
A: 適切な管理を行えば、糖尿病の猫も健康な猫とほぼ同じ寿命を全うできることが多くの研究で報告されています。重要なのは早期発見・早期治療と、継続的な血糖値管理です。インスリン注射を適切に行い、食事管理を徹底し、定期的な健康チェックを受けることで、糖尿病があっても質の高い生活を送ることができます。ただし、治療を怠ると合併症により寿命が短くなる可能性があるため、継続的なケアが不可欠です。
Q8: 他の病気を併発している場合はどうすればいいですか?
A: 糖尿病は他の疾患と併発することがあります。腎臓病を併発している場合は腎臓病食を、膵炎がある場合は消化器系フードを優先的に選択します。また、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群などの内分泌疾患は、インスリン抵抗性を引き起こすため、これらの基礎疾患の治療も並行して行う必要があります。複数の疾患がある場合は、獣医師と相談の上、優先順位を決めて治療方針を立てることが重要です。
まとめ

猫の糖尿病は適切な管理により、愛猫が幸せで充実した生活を送ることができる疾患です。多飲多尿、体重減少、後肢の歩行異常などの症状に気づいたら、早急に獣医師の診察を受けましょう。
治療の三本柱は、インスリン投与、食事管理、定期的なモニタリングです。療法食の選択、正しいインスリン注射の手技、血糖値モニタリングの方法を身につけることで、安全で効果的な在宅管理が可能になります。
猫の糖尿病は寛解の可能性もある希望的な疾患です。しかし、低血糖などの緊急事態に備えた準備と、継続的な獣医師との連携が不可欠です。愛猫との穏やかな日々を取り戻すために、正しい知識と適切なケアで糖尿病と向き合っていきましょう。
参考文献・参照記事
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- 次郎丸動物病院. 「猫の糖尿病の症状と原因、治療について|獣医師が解説」. https://jiroumaru-ah.com/case/case-endocrinology/entry-54.html
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- たかつきユア動物病院. (2023年10月6日). 「【獣医師監修】猫の糖尿病は治療しなくても大丈夫??」. https://takatsuki-your-ah.net/feline_diabetes/
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