はじめに
愛猫の健康を維持するためには、定期的な健康チェックが欠かせません。しかし、毎回獣医師に診てもらうのは大変です。そこで、本記事では、専門家の監修のもと、自宅で簡単にできる猫の健康チェック方法をご紹介します。これらの検査を定期的に行うことで、愛猫の健康状態を把握し、異常を早期発見することができます。
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VOICEVOX:四国めたん
Images:
Madrid (RPS 29-11-2012) Calle de la salud, azulejo indicativo by Raimundo Pastor, CC BY-SA 3.0 (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Madrid_(RPS_29-11-2012)_Calle_de_la_salud,_azulejo_indicativo.png)
体重と体型のチェック方法
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」
体重測定の重要性と方法
猫の体重は、健康状態を反映する重要な指標の一つです。定期的に体重を測定し、記録することで、変化の傾向を把握できます。以下の手順で、自宅で体重測定を行いましょう。
- 体重計を用意する:人用のデジタル体重計か、猫専用の体重計を使用します。
- 測定の頻度:少なくとも月に1回は体重を測定するようにしましょう。
- 測定方法:猫を体重計の上に乗せ、安静にさせた状態で測定します。
- 記録と評価:測定した体重を記録し、前回との変化を確認します。急激な増減がある場合は、獣医師に相談しましょう。
ボディ・コンディション・スコア(BCS)の評価
ボディ・コンディション・スコア(BCS)は、猫の体型を視覚的・触覚的に評価する指標です。以下の手順で、BCSの評価を行いましょう。
- 上から見た姿:猫の背中から見た際に、ウエストのくびれが明確に確認できるのが理想的です。
- 側面から見た姿:猫の横から見た際に、腹部が引き締まり、腰の部分が丸みを帯びているのが理想的です。
- 肋骨の触り心地:軽く指で押したときに、肋骨が触れる程度の薄い脂肪層が理想的です。
- 評価基準:BCSは5段階または9段階で評価されます。3(5段階の場合)または4〜5(9段階の場合)が理想的なスコアです。
理想的な体型と体重の目安
猫の理想的な体型は、適度な筋肉量と適度な脂肪量のバランスが取れた状態です。以下の目安を参考に、愛猫の体型を評価しましょう。
- 小型猫(成猫):2.5〜4.5kg
- 中型猫(成猫):4.5〜6.5kg
- 大型猫(成猫):6.5〜8.5kg
ただし、猫の品種や個体差によって理想的な体重は異なります。獣医師と相談しながら、愛猫に適した体重の目標を設定することが大切です。
→【猫の適性体重についてはこちら】
→【肥満予防のコツはこちら】
被毛と皮膚の観察ポイント
被毛の艶やハリ
健康的な被毛は、艶があり、ハリがあります。以下の点に注目して、被毛の状態を観察しましょう。
- 光沢:被毛に自然な光沢があるか確認します。
- ハリ:被毛にハリがあり、弾力性があるか確認します。
- 抜け毛:季節による変化はありますが、過度な抜け毛がないか確認します。
被毛のパサつきや抜け毛の増加は、栄養不足、ホルモン異常、ストレスなどが原因である可能性があります。
皮膚の異常の有無
皮膚の異常は、皮膚疾患や内部疾患を示唆する場合があります。以下の点に注目して、皮膚の状態を観察しましょう。
- 発疹や湿疹:皮膚に発疹や湿疹がないか確認します。
- かゆみ:猫がかゆがっている様子がないか確認します。
- 傷や腫れ:皮膚に傷や腫れがないか確認します。
- 色の変化:皮膚の色に異常な変化(赤み、黄み、青みなど)がないか確認します。
皮膚の異常は、アレルギー、感染症、ホルモン異常、自己免疫疾患などが原因である可能性があります。
→【皮膚トラブルを予防する日常ケアはこちら】
ノミやダニの確認
ノミやダニは、猫の健康に悪影響を及ぼす外部寄生虫です。定期的に被毛をチェックし、早期発見・早期治療に努めましょう。
- 被毛のチェック:被毛をかき分け、ノミやダニの有無を確認します。
- ノミ取り用のくしの使用:ノミ取り用のくしを使うと、発見しやすくなります。
- 皮膚のチェック:皮膚に小さな黒い点(ノミの糞)がないか確認します。
ノミやダニを発見した場合は、獣医師に相談し、適切な駆除方法を選択することが大切です。
→【皮膚トラブルの種類はこちら】

口腔内の健康チェック方法
歯の観察ポイント
猫の歯は、食事の摂取や栄養の吸収に重要な役割を果たします。以下の点に注目して、歯の状態を観察しましょう。
- 歯の汚れや歯石:歯の表面に汚れや歯石が付着していないか確認します。
- 歯の欠損や破折:歯に欠けている部分や割れている部分がないか確認します。
- 歯の変色:歯の色が異常に変化していないか確認します。
歯の汚れや歯石は、歯周病の原因となります。歯の欠損や破折、変色は、外傷や感染症などが原因である可能性があります。
→【猫の歯が欠けた・抜けた時の対応と予防策はこちら】
→【歯石除去の重要性はこちら】
歯肉の観察ポイント
歯肉は、歯を支える重要な組織です。以下の点に注目して、歯肉の状態を観察しましょう。
- 発赤や腫れ:歯肉が赤く腫れていないか確認します。
- 出血:歯肉から出血がないか確認します。
- 歯肉の退縮:歯肉が下がって歯の根元が露出していないか確認します。
歯肉の発赤や腫れ、出血は、歯周病や口腔内の感染症を示唆する症状です。歯肉の退縮は、重度の歯周病が進行している可能性があります。
→【歯周病についてはこちら】
口臭の確認
口臭は、口腔内の健康状態を反映する重要な指標の一つです。日常的に愛猫の口臭をチェックし、異常な臭いがないか確認しましょう。
- 甘酸っぱい臭い:歯周病が進行している可能性があります。
- 腐敗臭:口腔内の感染症や腫瘍が疑われます。
- ケトン臭:糖尿病などの全身疾患が疑われます。
異常な口臭があれば、速やかに獣医師に相談することが大切です。
→【猫の口臭の原因と対処法はこちら】
→【猫の歯磨きについてはこちら】
口腔内のチェック方法
猫の口腔内をチェックする際は、安全かつ確実に行うことが重要です。以下の手順で行いましょう。
- 猫を安静にさせる:猫が落ち着いた状態で行います。
- 口を開ける:親指と人差し指で上唇を持ち上げ、下あごを下げて口を開けます。
- 観察とチェック:歯、歯肉、舌、口腔内の粘膜を観察し、異常がないかチェックします。
- ご褒美を与える:チェック後は、猫のストレスを和らげるために、ご褒美を与えましょう。
口腔内のチェックは、月に1回程度行うのが理想的です。慣れるまでは、無理のない範囲で行いましょう。
→【歯と口腔の日常ケアはこちら】
便と尿の観察ポイント
便の状態チェック
便の状態は、消化器官の健康状態を知る手がかりとなります。以下の点に注目して、便の状態を観察しましょう。
- 色:健康的な便は、茶色から黄土色です。黒色、赤色、灰白色などの異常な色がないか確認します。
- 硬さ:便の硬さは、適度な柔らかさが理想的です。硬すぎたり、柔らかすぎたりしていないか確認します。
- 形状:健康的な便は、ソーセージ状やバナナ状の形をしています。水様便や粘液便などの異常な形状がないか確認します。
- 量:便の量が極端に少ない、または多すぎないか確認します。
便の色が黒色や赤色の場合は、消化管出血が疑われます。灰白色の場合は、胆道閉塞などの問題が疑われます。便が硬すぎる場合は便秘、柔らかすぎる場合は下痢の可能性があります。
尿の状態チェック
尿の状態は、泌尿器官の健康状態を知る手がかりとなります。以下の点に注目して、尿の状態を観察しましょう。
- 色:健康的な尿は、薄い黄色から琥珀色です。赤色、茶色、濁った色などの異常な色がないか確認します。
- 量:尿の量が極端に少ない、または多すぎないか確認します。
- 頻度:尿の回数が極端に少ない、または多すぎないか確認します。
- におい:尿の臭いが異常に強くないか確認します。
尿の色が赤色や茶色の場合は、血尿が疑われます。濁った色の場合は、膀胱炎や尿路感染症が疑われます。尿の量が少ない場合は脱水、多すぎる場合は糖尿病や腎機能の低下が疑われます。
→【尿路感染症を予防する日常ケアについてはこちら】
→【慢性腎不全についてはこちら】
排泄行動の変化
便と尿の状態だけでなく、排泄行動の変化にも注意しましょう。以下のような変化がないか確認します。
- トイレ以外での排泄:いつもと違う場所で排泄していないか確認します。
- 排泄時の痛み:排泄時に鳴き声を上げたり、苦しそうにしていないか確認します。
- いきみ:便や尿を出すときに、いきんでいないか確認します。
排泄行動の変化は、泌尿器系や消化器系の病気、ストレスなどが原因である可能性があります。
まとめ
自宅で簡単にできる猫の健康チェック方法について、専門家の監修のもと解説しました。体重と体型、被毛と皮膚、口腔内、便と尿などを定期的にチェックすることで、愛猫の健康状態を把握できます。異常が見られた場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。また、定期的な獣医師の診察も忘れずに。愛猫の健康を守るために、飼い主の細やかな観察と適切な対応が求められています。



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